肩インピンジメント症候群
- 腕を上げる途中で肩が痛い。
- 洗濯物を干す、高い棚の物を取る動作がつらい。
- 肩を横から上げると、途中で引っかかる感じがある。
- スポーツや仕事で腕をよく使うと肩が痛くなる。
- 夜、肩がズキズキすることがある。
- 四十肩・五十肩かと思っていたけれど、肩の動かし方によって痛みが変わる。
〖肩インピンジメント症候群とは?〗肩を上げる途中で痛みが出る状態|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
肩インピンジメント症候群とは、腕を上げる動作の中で、肩の中の組織がこすれたり、圧迫されたりして痛みが出る状態です。
特に関係しやすい組織には、
✅ 腱板
✅ 肩峰下滑液包
✅ 上腕二頭筋長頭腱
✅ 肩峰
✅ 烏口肩峰靱帯
などがあります。
患者さんには、
「肩を上げる途中で、肩の中が挟まるように痛い状態」
と説明するとイメージしやすいです。
ただし、医学的には「本当に物理的に挟まっているだけ」と単純に考えるより、近年は腱板関連肩痛や肩峰下疼痛症候群として、腱・滑液包・肩甲骨の動き・筋力・姿勢などを含めて考えることもあります。
順天堂医院の解説では、肩を上げる途中や下ろす途中で、特に60〜120度付近に痛みが出ることがあり、これを有痛弧徴候・ペインフルアークと説明しています。
よくある症状は、
✅ 腕を上げる途中で痛い
✅ 横から腕を上げると痛い
✅ 高いところに手を伸ばすと痛い
✅ 肩の前〜外側が痛い
✅ 肩を下ろすときにも痛い
✅ 肩に引っかかり感がある
✅ スポーツや仕事で腕を使うと悪化する
などです。
ここで大切なのは、
「肩が痛い=全部が四十肩・五十肩」ではない
ということです。
肩インピンジメント症候群では、四十肩・五十肩のように肩全体が強く固まるというより、特定の角度や動作で痛みが出ることがあります。
一方で、腱板損傷・石灰沈着性腱板炎・頚椎由来の痛みなどでも似た症状が出るため、痛みの出方や筋力、可動域を確認することが重要です。
〖肩インピンジメント症候群の原因と主な症状〗なぜ腕を上げると肩が痛くなるのか?|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
肩インピンジメント症候群の原因は、単純に「肩の中で挟まっているから」だけではありません。
実際には、肩関節・肩甲骨・胸椎・姿勢・筋力・スポーツ動作・仕事動作などが複合的に関係します。
① 肩を上げる動作の繰り返し
腕を上げる動作を繰り返すと、肩峰下の腱板や滑液包にストレスがかかりやすくなります。
特に、
✅ 洗濯物を干す
✅ 高い棚の物を取る
✅ 腕を上げる仕事
✅ 野球・バドミントン・テニス・バレー
✅ 水泳
✅ 筋トレ
✅ 投球やスマッシュ動作
✅ 長時間のデスクワーク後に肩を使う
このような動作で痛みが出やすくなります。
肩を上げるたびに腱板や滑液包への刺激が繰り返されると、炎症や痛みが起こり、慢性化することがあります。順天堂医院の解説でも、繰り返しの刺激によって滑液包の浮腫や出血が起こり、慢性化すると腱板部分断裂や骨棘形成につながることもあると説明されています。
② 肩甲骨・胸椎がうまく動いていない
肩を上げる動作は、肩関節だけで行うものではありません。
本来は、
✅ 肩関節
✅ 肩甲骨
✅ 胸椎
✅ 鎖骨
✅ 肋骨
✅ 体幹
が連動して動きます。
しかし、
✅ 猫背姿勢
✅ 肩甲骨が上手く上方回旋しない
✅ 胸椎が硬い
✅ 肩が前に巻いている
✅ 首や肩に力が入りやすい
✅ 体幹が不安定
✅ 腕だけで上げようとしている
このような状態では、肩の中で腱板や滑液包に負担が集中しやすくなります。
つまり、肩インピンジメント症候群では、
肩だけではなく、肩甲骨・胸椎・姿勢まで見ること
が大切です。
③ 腱板の筋力低下や使い方の問題
腱板は、肩を安定させながら腕を動かす重要な組織です。
腱板や肩甲骨まわりの筋肉がうまく働かないと、腕を上げたときに上腕骨頭の位置が安定せず、肩峰下にストレスがかかりやすくなります。
特に、
✅ 棘上筋
✅ 棘下筋
✅ 小円筋
✅ 肩甲下筋
✅ 前鋸筋
✅ 僧帽筋下部線維
などの働きが重要です。
運動療法に関するシステマティックレビューでは、肩峰下疼痛症候群に対して、痛み・可動性・機能改善のために運動療法が第一選択として強く推奨できるとされています。
肩インピンジメント症候群で出やすい症状
肩インピンジメント症候群では、以下のような症状がみられます。
✅ 肩を上げる途中で痛い
✅ 横から腕を上げると痛い
✅ 肩の前〜外側が痛い
✅ 高いところに手を伸ばすと痛い
✅ 服を着るときに痛い
✅ 肩を下ろすときに痛い
✅ 肩に引っかかり感がある
✅ 投球・スマッシュ・サーブで痛い
✅ 夜間痛が出ることがある
✅ 肩をかばって首や背中が張る
ただし、以下の症状がある場合は注意が必要です。
🟥 転倒・外傷後から肩が上がらない
🟥 腕に力が入りにくい
🟥 夜間痛が非常に強い
🟥 急に激痛が出た
🟥 肩が変形している
🟥 腕や手にしびれがある
🟥 発熱や強い腫れがある
🟥 数週間たっても改善しない
このような場合は、腱板断裂・石灰沈着性腱板炎・骨折・脱臼・頚椎由来の神経症状などを確認する必要があります。
〖肩インピンジメント症候群の保存療法と自宅での注意点〗動作調整・運動療法・避けたい動き|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
肩インピンジメント症候群では、まず痛みを悪化させる動作を減らしながら、肩甲骨・胸椎・腱板の機能を整えることが大切です。
痛みがあるからといって完全に肩を使わない状態が続くと、肩まわりの機能が落ちてしまうことがあります。
一方で、痛みを我慢して腕を上げ続けると、炎症や痛みが悪化することもあります。
大切なのは、
痛みを強くしない範囲で、正しい動きを少しずつ取り戻すこと
です。
痛みの程度に合わせた考え方
🟦 軽度
腕を上げる途中で少し痛いが、日常生活は大きく困らない
→ 痛みが出る角度を避けつつ、肩甲骨・胸椎の動きを整える
🟨 中等度
洗濯物・着替え・仕事・スポーツで痛みがはっきり出る
→ 負担動作を減らし、腱板・肩甲骨まわりの運動を段階的に行う
🟥 強い症状
夜間痛が強い、力が入らない、外傷後から肩が上がらない
→ 整形外科で画像検査や医師の診察を検討する
自宅でやってよいこと
✅ 痛みが出る角度で無理に腕を上げない
✅ 高いところの作業を一時的に減らす
✅ 肩をすくめずに腕を動かす
✅ 肩甲骨を軽く動かす
✅ 猫背姿勢を長時間続けない
✅ 胸を軽く開く運動を行う
✅ 痛みのない範囲で腱板トレーニングを行う
✅ スポーツでは一時的に投球・スマッシュ量を減らす
日本理学療法士協会の紹介する研究では、肩峰下インピンジメント症候群に対する6週間のホームエクササイズで、疼痛と能力障害の改善がみられたとされています。ただし、改善には自然経過の影響も含まれる点に注意が必要です。
避けたいこと
⚠️ 痛みを我慢して腕を上げ続ける
⚠️ 反動をつけて肩を回す
⚠️ 強いストレッチを無理に行う
⚠️ 肩をすくめたまま腕を上げる
⚠️ 痛み止めだけでスポーツを続ける
⚠️ 夜間痛や筋力低下を放置する
⚠️ 腱板断裂を見逃す
肩インピンジメント症候群では、
肩だけを揉むことが治療の中心ではありません。
大切なのは、
🟦 痛みが出る動作を確認
🟩 肩甲骨・胸椎の動きを改善
🟨 腱板・肩甲骨まわりの筋力を整える
🟧 日常動作・スポーツ動作を修正
🟥 再発予防まで行う
という流れです。
海外ガイドラインでも、肩峰下疼痛症候群では、低負荷・高頻度の運動療法、姿勢への配慮、リラクゼーション、肩甲骨機能や腱板機能を含めた運動が推奨されています。
〖ラッコ整骨院での評価とサポート〗肩だけでなく肩甲骨・胸椎・姿勢・動作まで確認します|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店では、肩インピンジメント症候群が疑われる肩の痛みに対して、肩だけでなく、肩甲骨・胸椎・首・姿勢・日常動作まで確認します。
肩を上げる途中で痛みが出る場合、肩の中だけでなく、肩甲骨や胸椎の動きが関係していることが多くあります。
① 痛みの出る角度と動作を確認します
まずは、どの動きで痛みが出るかを確認します。
✅ 前から腕を上げると痛いのか
✅ 横から腕を上げると痛いのか
✅ 下ろすときに痛いのか
✅ 60〜120度あたりで痛いのか
✅ 高いところに手を伸ばすと痛いのか
✅ スポーツ動作で痛いのか
✅ 夜間痛があるのか
✅ 力が入りにくいのか
肩インピンジメント症候群では、ペインフルアークのように、特定の角度で痛みが出ることがあります。順天堂医院の解説でも、肩を上げるときや下ろすときに60〜120度付近で痛みを感じることがあると説明されています。
② 腱板損傷・四十肩・石灰沈着との違いを確認します
肩インピンジメント症候群は、ほかの肩疾患と症状が似ることがあります。
特に確認したいのは、
✅ 腱板損傷・腱板断裂
✅ 四十肩・五十肩
✅ 石灰沈着性腱板炎
✅ 上腕二頭筋長頭腱炎
✅ 頚椎由来の痛み
✅ 肩関節不安定症
です。
腱板断裂では、肩の痛みだけでなく、腕を上げるときの力の入りにくさや夜間痛が出ることがあります。日本整形外科学会も、腱板断裂では夜間痛や挙上時の筋力低下、軋轢音がみられることがあると説明しています。
必要に応じて、エコーで肩まわりの状態を確認したり、整形外科での画像検査をご提案します。
③ 肩甲骨・胸椎・姿勢を評価します
当院では、肩関節だけでなく、肩甲骨や胸椎の動きも確認します。
✅ 肩甲骨の上方回旋
✅ 肩甲骨の後傾
✅ 胸椎の伸展
✅ 胸椎の回旋
✅ 猫背姿勢
✅ 巻き肩
✅ 首・肩まわりの緊張
✅ 体幹の安定性
肩甲骨や胸椎の動きが悪いと、腕を上げるときに肩関節へ負担が集中しやすくなります。
④ 物理療法・手技・運動療法を組み合わせます
ラッコ整骨院では、状態に合わせて、物理療法・手技療法・運動療法を組み合わせます。
痛みが強い時期は、無理に強い刺激を入れず、痛みを落ち着かせることを優先します。
痛みが落ち着いてきたら、
🟦 痛みの軽減
🟩 肩甲骨・胸椎の動き改善
🟨 腱板・肩甲骨まわりの機能改善
🟧 日常動作・スポーツ動作の修正
🟥 再発予防・競技復帰サポート
という流れで進めます。
大切なのは、
肩を無理に動かすことではなく、肩に負担が集中しない動き方を作ること
です。
整形外科での検査をおすすめするケース
以下のような場合は、整形外科での確認をおすすめします。
🟥 転倒・外傷後から肩が上がらない
🟥 腕に力が入りにくい
🟥 夜間痛が非常に強い
🟥 急に強い肩の痛みが出た
🟥 肩を動かすと強い引っかかりがある
🟥 腕や手にしびれがある
🟥 肩が変形している
🟥 数週間たっても改善しない
🟥 腱板断裂・石灰沈着・骨折が疑われる
肩の痛みは、肩インピンジメント症候群だけでなく、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎、四十肩・五十肩、頚椎由来の症状などが関係することがあります。
必要な場合は、医師による診断と画像検査を受けることが大切です。
よくある質問
Q. 肩インピンジメント症候群とは何ですか?
腕を上げるときに、肩峰の下で腱板や滑液包などが刺激され、肩の痛みや引っかかり感が出る状態です。
特に腕を上げる途中、60〜120度付近で痛みが出ることがあります。
Q. 四十肩・五十肩とは違いますか?
違う状態として考えます。
四十肩・五十肩は肩関節の痛みと硬さが中心ですが、肩インピンジメント症候群では、特定の角度や動作で痛みが出ることがあります。ただし、症状が似ることもあるため、評価が必要です。
Q. 腱板損傷と関係ありますか?
関係することがあります。
肩インピンジメント症候群が長引くと腱板に負担がかかることがあり、逆に腱板損傷があることで肩の動きが乱れ、インピンジメント様の痛みが出ることもあります。
Q. 痛くても動かした方がいいですか?
痛みを我慢して動かすのはおすすめしません。
痛みが強い角度を避けながら、肩甲骨・胸椎・腱板の機能を少しずつ整えることが大切です。
Q. 整骨院では何ができますか?
痛みの出る角度や動作、肩の可動域、筋力、肩甲骨・胸椎・姿勢を評価し、物理療法・手技療法・運動療法を組み合わせて、痛みの軽減と肩にかかる負担の改善をサポートします。必要に応じて整形外科での画像検査をご提案します。
まとめ
肩インピンジメント症候群は、腕を上げる途中で肩の痛みや引っかかり感が出る症状です。
大切なのは、
「肩が痛いから四十肩・五十肩だろう」
「肩だけ揉めばよくなる」
「痛くても動かせば治る」
と決めつけないことです。
肩インピンジメント症候群では、腱板や滑液包への負担だけでなく、肩甲骨・胸椎・姿勢・腱板の筋力・日常動作やスポーツ動作まで総合的に確認することが重要です。
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店では、肩だけでなく、肩甲骨・胸椎・姿勢・動作まで確認し、痛みの軽減と肩にかかる負担の改善をサポートします。
腕を上げる途中で肩が痛い、肩に引っかかり感がある、高いところに手を伸ばすと痛い方は、お気軽にご相談ください😊
この記事の執筆者
執筆者:塩野圭吾
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店 院長
柔道整復師/インソール療法スペシャリスト
最終更新日:2026年5月29日
引用文献
- American Academy of Orthopaedic Surgeons. “Shoulder Impingement/Rotator Cuff Tendinitis.” OrthoInfo.
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院.「インピンジメント症候群」整形外科・スポーツ診療科.
- 日本整形外科学会.「肩腱板断裂」症状・病気をしらべる.
- Diercks R, et al. “Guideline for diagnosis and treatment of subacromial pain syndrome.” Acta Orthopaedica. 2014;85(3):314-322.
- Pieters L, et al. “An Update of Systematic Reviews Examining the Effectiveness of Conservative Physical Therapy Interventions for Subacromial Shoulder Pain.” Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2020.
- 日本理学療法士協会.「肩峰下インピンジメント症候群に対するホームエクササイズとセラピスト管理下の運動療法」.
- American Academy of Orthopaedic Surgeons. “Rotator Cuff and Shoulder Conditioning Program.” OrthoInfo.
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