腰椎すべり症
- 腰が痛い。
- 立っていると、お尻や太ももが痛くなる。
- 歩いていると脚がしびれてくる。
- 少し休むとまた歩ける。
- 腰を反ると痛みやしびれが出る。
- 腰の検査で「すべり症」と言われたことがある。
〖腰椎すべり症とは?〗腰の骨がずれることで起こる症状|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
腰椎すべり症とは、腰の骨である腰椎が、本来の位置から前方へずれる状態です。
腰椎がずれることで、背骨の中を通る神経の通り道が狭くなったり、神経が刺激されたりして、腰痛やお尻・脚の症状が出ることがあります。
腰椎すべり症には、大きく分けて以下のようなタイプがあります。
✅ 腰椎分離すべり症
成長期のスポーツなどで腰椎分離症が起こり、その後に腰椎がずれてくるタイプです。
✅ 腰椎変性すべり症
加齢に伴う椎間板・椎間関節・靭帯などの変化によって、腰椎がずれてくるタイプです。
日本整形外科学会では、分離症は10歳代で起こることが多く、その後に分離すべり症へ進行する場合があると説明されています。また、分離症・分離すべり症では腰痛やお尻・太ももの痛みが出ることがあり、腰を後ろに反らせたときに痛みが強くなりやすいとされています。
一方で、腰椎変性すべり症では、腰痛よりもお尻や太ももの痛み、歩きにくさが目立つことがあります。日本整形外科学会も、腰椎変性すべり症では腰部脊柱管狭窄症と同じような症状が出ると説明しています。
ここで大切なのは、
「すべり症がある=必ず痛い」ではない
ということです。
画像検査で腰椎すべり症が見つかっても、症状がほとんどない方もいます。
一方で、神経が圧迫されると、お尻や脚の痛み・しびれ・歩行障害が出ることがあります。
そのため、腰椎すべり症では、
画像だけでなく、症状・神経症状・姿勢・歩行を総合的に確認すること
が大切です。
〖腰椎すべり症の原因と主な症状〗なぜ腰痛や脚のしびれ、歩きにくさが出るのか?|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
腰椎すべり症の原因は、タイプによって異なります。
成長期のスポーツ障害が関係するタイプもあれば、加齢に伴う変化が関係するタイプもあります。
① 成長期の腰椎分離症から進行する場合
腰椎分離すべり症は、腰椎分離症が背景にあることがあります。
腰椎分離症は、ジャンプや腰を反る・ひねる動作を繰り返すことで、腰椎の後方部分に疲労骨折のような変化が起こる状態です。
特に、
✅ 野球
✅ サッカー
✅ バドミントン
✅ 陸上競技
✅ 体操
✅ バレーボール
✅ テニス
✅ 柔道・格闘技系
など、反る・ひねる・ジャンプする動作が多い競技では注意が必要です。
日本整形外科学会では、スポーツ選手では一般の人より分離症の割合が高く、スポーツの練習などで腰椎を繰り返し反らしたり回したりすることで起こると説明されています。
② 加齢による椎間板・関節・靭帯の変化
腰椎変性すべり症では、加齢に伴って椎間板や椎間関節、靭帯などが変化し、腰椎の安定性が低下することで、骨がずれてくることがあります。
腰椎がずれると、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることがあります。
その結果、腰部脊柱管狭窄症のように、お尻や脚の痛み・しびれ・歩行時のつらさが出ることがあります。
AAOSも、成人の腰椎すべり症では、加齢に伴う変化によって脊柱管狭窄が起こり、神経圧迫につながることがあると説明しています。
③ 反り腰・股関節の硬さ・体幹の不安定性
腰椎すべり症では、画像上のずれだけでなく、姿勢や身体の使い方も症状に関係します。
たとえば、
✅ 反り腰が強い
✅ 股関節が硬い
✅ 体幹が不安定
✅ お尻の筋肉が使えていない
✅ 骨盤が前に倒れやすい
✅ 長時間立ちっぱなしが多い
✅ 腰を反る動作が多い
✅ 足部の荷重バランスが崩れている
このような状態では、腰椎に負担が集中しやすくなります。
つまり、腰椎すべり症では、
骨のずれだけでなく、腰に負担をかけている動き方を確認すること
が大切です。
腰椎すべり症で出やすい症状
腰椎すべり症では、以下のような症状がみられます。
✅ 腰が痛い
✅ 腰を反ると痛い
✅ お尻や太ももが痛い
✅ 脚がしびれる
✅ 長く立っているとつらい
✅ 歩くと脚が痛くなる
✅ 少し休むとまた歩ける
✅ 前かがみになると楽
✅ 足に力が入りにくい
✅ 腰の不安定感がある
特に腰椎変性すべり症では、腰痛が強くない方もいます。
腰そのものよりも、お尻や脚の症状、歩ける距離の低下で困る方も少なくありません。日本整形外科学会も、腰椎変性すべり症では腰痛が比較的少ない、または全く腰痛がない場合もあると説明しています。
特に注意したい症状は以下です。
🟥 足に力が入りにくい
🟥 つま先が上がりにくい
🟥 歩ける距離が急に短くなった
🟥 排尿・排便の異常がある
🟥 股の間の感覚が鈍い
🟥 しびれが急に強くなっている
🟥 安静にしていても激しい痛みが続く
このような場合は、整骨院だけで様子を見るのではなく、早めに整形外科での確認が必要です。
〖腰椎すべり症の保存療法と自宅での注意点〗姿勢・運動・負担管理が大切です|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
腰椎すべり症では、症状の強さ、神経症状の有無、すべりの程度、日常生活への影響によって対応が変わります。
軽度〜中等度の症状では、まず保存療法で様子を見ることがあります。
一方で、強い神経症状や排尿・排便障害がある場合は、医師による診察が優先です。
NASSの変性腰椎すべり症ガイドラインでは、診断には病歴・身体診察の把握が重要とされ、保存的な対応には薬物療法、理学療法、運動療法、徒手療法、注射療法などを含めた医療的・介入的ケアが含まれると整理されています。
痛み・しびれの程度に合わせた考え方
🟦 軽度
腰痛や脚の違和感はあるが、日常生活は大きく困らない
→ 姿勢・立ち方・股関節の動きを整えながら、負担を調整する
🟨 中等度
立つ・歩くとお尻や脚に痛み、しびれが出る
→ 歩行距離や休憩の取り方を調整し、腰に負担がかかりにくい動きを作る
🟥 強い症状
足に力が入りにくい、歩ける距離が急に短い、排尿・排便異常がある
→ 早めに整形外科で画像検査・医師の診察を受ける
自宅でやってよいこと
✅ 長時間立ちっぱなしを避ける
✅ 腰を強く反らす姿勢を減らす
✅ 症状が出る前にこまめに休む
✅ 痛みの範囲内で短く歩く
✅ 股関節まわりを軽く動かす
✅ お尻・体幹の筋肉を少しずつ使う
✅ 立ち上がりや荷物の持ち方を見直す
✅ 休むときは楽な姿勢を探す
歩くと脚がつらい方でも、前かがみ姿勢や座位では楽になることがあります。
無理に長く歩くよりも、症状に合わせて休憩を入れることが大切です。
避けたいこと
⚠️ 腰を強く反らす運動を繰り返す
⚠️ 症状を我慢して長距離を歩く
⚠️ 脚のしびれが強いのに無理にストレッチする
⚠️ 足の筋力低下を放置する
⚠️ 痛み止めだけで無理に活動量を増やす
⚠️ 排尿・排便異常を様子見する
⚠️ 「骨がずれているから何もできない」と動かなすぎる
腰椎すべり症では、強く揉めばよくなるというものではありません。
大切なのは、
神経症状の確認 → 痛みの軽減 → 股関節・体幹の安定性改善 → 姿勢・歩行の修正 → 再発予防
という流れで進めることです。
手術が必要になることはありますか?
全員が手術になるわけではありません。
ただし、保存療法で改善しない場合、脚の痛み・しびれで生活が大きく制限される場合、筋力低下や排尿・排便障害がある場合は、手術が検討されることがあります。
AAOSも、すべりが強い場合や神経への圧迫がある場合には、脚のしびれ・筋力低下・立つ歩くことの困難さが出ることがあると説明しています。
〖ラッコ整骨院での評価とサポート〗腰だけでなく神経症状・骨盤・股関節・歩行まで確認します|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店では、腰椎すべり症が疑われる症状に対して、腰だけでなく、神経症状・骨盤・股関節・姿勢・歩行まで確認します。
ただし、腰椎すべり症の診断には、医師による診察やレントゲン・MRIなどの画像検査が必要です。
当院では、整骨院でできる評価を行い、必要に応じて整形外科での検査をご提案します。
① 痛み・しびれ・歩行距離を確認します
まずは、症状の出方を確認します。
✅ 腰だけが痛いのか
✅ お尻や脚まで痛いのか
✅ 片脚なのか両脚なのか
✅ 何分・何メートル歩くとつらくなるのか
✅ 休むとどれくらいで楽になるのか
✅ 前かがみで楽になるのか
✅ 腰を反ると悪化するのか
✅ 足に力が入りにくいか
腰椎すべり症では、歩行距離や立っていられる時間の変化が重要です。
「以前より歩ける距離が短くなった」
「買い物中に座りたくなる」
「立っていると脚がしびれる」
このような変化がある場合は、神経症状を丁寧に確認します。
② 神経症状を確認します
当院では、痛みだけでなく、しびれや筋力低下の有無を確認します。
✅ 感覚の左右差
✅ 足首や足指の動き
✅ つま先立ち・かかと歩き
✅ 筋力低下の有無
✅ 歩行時の足の運び
✅ バランスの取りにくさ
足に力が入りにくい、つま先が上がりにくい、症状が急に悪化している場合は、整形外科での画像検査をご提案します。
③ 股関節・骨盤・姿勢を評価します
腰椎すべり症では、腰だけでなく股関節や骨盤の動きも重要です。
当院では、
✅ 股関節の可動域
✅ 骨盤の傾き
✅ 反り腰の程度
✅ お尻の筋力
✅ 体幹の安定性
✅ 太もも・ふくらはぎの緊張
✅ 足部の荷重バランス
✅ 立ち姿勢・歩行姿勢
を確認します。
腰が反りやすい方、股関節が硬い方、体幹が不安定な方は、立位や歩行時に腰椎へ負担が集中しやすくなります。
④ 物理療法・手技・運動療法を組み合わせます
ラッコ整骨院では、状態に合わせて、物理療法・手技療法・運動療法を組み合わせます。
痛みやしびれが強い時期は、無理に強い刺激を入れず、症状が悪化しない範囲でサポートします。
痛みが落ち着いてきたら、
🟦 痛み・しびれの軽減
🟩 腰・骨盤・股関節の動き改善
🟨 お尻・体幹まわりの筋力改善
🟧 立ち方・歩き方の修正
🟥 再発予防・生活動作改善の運動療法
という流れで進めます。
大切なのは、
すべっている骨を無理に戻すことではなく、腰にかかる負担を減らし、生活しやすい身体の使い方を作ること
です。
「買い物で長く歩きたい」
「仕事中に立っていられる時間を伸ばしたい」
「腰を気にせず日常生活を送りたい」
このような目標に合わせて、無理のないサポートを行います。
整形外科での検査をおすすめするケース
以下のような場合は、整形外科での確認をおすすめします。
🟥 足のしびれが強い
🟥 足に力が入りにくい
🟥 つま先が上がりにくい
🟥 歩ける距離が急に短くなった
🟥 排尿・排便の異常がある
🟥 股の間の感覚が鈍い
🟥 安静にしていても激痛が続く
🟥 夜間痛が強い
🟥 転倒・事故後から症状が出た
🟥 症状が日に日に悪化している
腰椎すべり症では、症状の程度によって保存療法・薬物療法・注射・手術などの選択肢が変わります。
医師の診断と、整骨院での身体評価・運動サポートを適切に使い分けることが大切です。
よくある質問
Q. 腰椎すべり症は、骨がずれているから危険ですか?
すべり症があるから必ず危険というわけではありません。
画像で見つかっても症状が少ない方もいます。大切なのは、痛み・しびれ・筋力低下・歩行距離など、実際の症状を確認することです。
Q. 腰椎すべり症と脊柱管狭窄症は違いますか?
違う疾患ですが、症状が似ることがあります。
腰椎すべり症によって神経の通り道が狭くなると、脊柱管狭窄症のように、お尻や脚の痛み・しびれ、歩きにくさが出ることがあります。
Q. 運動はした方がいいですか?
状態によります。
痛みやしびれが強い時期に無理をする必要はありませんが、股関節や体幹、お尻まわりを状態に合わせて動かすことは大切です。腰を強く反らす運動で症状が増える場合は避けましょう。
Q. すべった骨は整骨院で戻せますか?
画像上の骨のすべりを手技で元に戻すことはできません。
整骨院では、腰に負担がかかりにくい姿勢・股関節・体幹・歩行を整え、痛みや生活動作の改善をサポートします。
Q. 手術しないと治りませんか?
必ず手術が必要なわけではありません。
症状が軽度〜中等度であれば、保存療法で生活しやすさを改善できる場合もあります。ただし、筋力低下や排尿・排便障害がある場合、歩行障害が強い場合は医師の診察が必要です。
Q. 整骨院では何ができますか?
痛みやしびれの範囲確認、神経症状のチェック、腰・骨盤・股関節・姿勢・歩行の評価、物理療法、手技療法、運動療法、日常生活動作のアドバイスを行います。症状によっては、整形外科での画像検査をご提案します。
まとめ
腰椎すべり症は、腰の骨が前方へずれることで、腰痛やお尻・脚の痛み、しびれ、歩きにくさが出ることがある疾患です。
大切なのは、
「骨がずれているから何もできない」
「腰を揉めばよくなる」
「年齢のせいだから仕方ない」
と決めつけないことです。
腰椎すべり症では、神経症状の有無、歩ける距離、姿勢による変化、股関節や骨盤の動き、歩行バランスを総合的に確認することが重要です。
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店では、腰だけでなく、神経症状・骨盤・股関節・姿勢・歩行まで確認し、痛みの軽減と生活動作の改善をサポートします。
腰痛やお尻・脚の痛み、しびれ、歩きにくさでお悩みの方は、お気軽にご相談ください😊
この記事の執筆者
執筆者:塩野圭吾
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店 院長
柔道整復師/インソール療法スペシャリスト
最終更新日:2026年5月29日
引用文献
- 日本整形外科学会.「腰椎変性すべり症」症状・病気をしらべる.
- 日本整形外科学会.「腰椎分離症・分離すべり症」症状・病気をしらべる.
- American Academy of Orthopaedic Surgeons. “Spondylolysis and Spondylolisthesis.” OrthoInfo.
- American Academy of Orthopaedic Surgeons. “Adult Spondylolisthesis of the Low Back.” OrthoInfo. 2026.
- North American Spine Society. “Diagnosis and Treatment of Degenerative Lumbar Spondylolisthesis.” Clinical Guideline.
- Matz PG, Meagher RJ, Lamer T, et al. “Guideline summary review: an evidence-based clinical guideline for the diagnosis and treatment of degenerative lumbar spondylolisthesis.” The Spine Journal. 2016;16(3):439-448.
- 日本整形外科学会,日本脊椎脊髄病学会.『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021 改訂第2版』南江堂.2021.
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