腰椎圧迫骨折・脊椎椎体骨折
- 転んで尻もちをついてから腰が痛い。
- 重い物を持った後から背中や腰が痛い。
- 寝返りや起き上がりで腰に鋭い痛みが出る。
- 立ってしまえば少し歩けるけれど、起き上がる瞬間がつらい。
- 背中が丸くなってきた。
- 身長が以前より低くなった気がする。
- 骨粗しょう症と言われたことがある。
〖腰椎圧迫骨折・脊椎椎体骨折とは?〗背骨の椎体がつぶれるように起こる骨折|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
腰椎圧迫骨折とは、背骨の前側にある椎体という部分が、圧迫されてつぶれるように起こる骨折です。
「腰椎圧迫骨折」と呼ばれることもありますが、実際には腰椎だけでなく、胸椎と腰椎の境目である胸腰椎移行部に起こりやすいとされています。
特に骨粗しょう症がある方では、骨の強度が低下しているため、強い外傷がなくても骨折が起こることがあります。
たとえば、
✅ 尻もちをついた
✅ 転倒した
✅ 重い物を持った
✅ 布団や荷物を持ち上げた
✅ 草むしりや畑仕事で前かがみが続いた
✅ くしゃみや軽い動作の後から痛くなった
このようなきっかけで発症することがあります。
日本整形外傷学会の解説でも、骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折は、高齢者の増加に伴い多くみられ、尻もちだけでなく、重い物を持つ動作や長時間の前かがみ作業でも生じることがあるとされています。
ここで大切なのは、
「歩けるから骨折ではない」とは言い切れない
ということです。
圧迫骨折では、寝ている姿勢から起き上がる瞬間に鋭い痛みが出る一方で、立ってしまえばなんとか歩けるケースもあります。日本整形外傷学会も、起き上がり時に鋭い痛みが出て、立ち上がると歩行はなんとか可能という体動時腰痛を特徴として説明しています。
そのため、ぎっくり腰のように見えても、
年齢・骨粗しょう症の有無・転倒歴・痛み方
を確認することがとても重要です。
〖腰椎圧迫骨折の原因と主な症状〗なぜ尻もち・重い物・起き上がりで痛くなるのか?|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
腰椎圧迫骨折の原因は、大きく分けると骨の弱さと外力・負荷です。
特に骨粗しょう症がある方では、通常なら骨折しないような軽い負荷でも、背骨に骨折が起こることがあります。
① 骨粗しょう症によって骨が弱くなっている
骨粗しょう症は、骨の量や質が低下し、骨折しやすくなる状態です。
背骨は骨粗しょう症による骨折が起こりやすい部位のひとつです。骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2025年版でも、骨粗しょう症では脊椎・手関節・肩関節・股関節などに骨折が生じやすく、骨折後はADLやQOLが制限されやすいとされています。
特に注意したいのは、
✅ 70代以上の方
✅ 女性
✅ 骨粗しょう症と言われたことがある
✅ 身長が低くなってきた
✅ 背中が丸くなってきた
✅ 過去に骨折歴がある
✅ ステロイド薬を長期使用している
✅ 痩せ型・運動不足
✅ 閉経後
このような方です。
② 転倒・尻もち・重い物を持つ動作
圧迫骨折は、転倒や尻もちをきっかけに起こることがあります。
ただし、骨粗しょう症がある場合は、明らかな転倒がなくても発症することがあります。
たとえば、
✅ 米袋や灯油缶を持った
✅ 布団を持ち上げた
✅ 介助や抱っこで腰に負担がかかった
✅ 掃除・草むしりで前かがみが続いた
✅ くしゃみや軽い動作の後から痛くなった
このようなケースでも注意が必要です。
③ 複数の圧迫骨折で姿勢が変わることもある
圧迫骨折が複数起こると、背骨が丸くなったり、身長が低くなったりすることがあります。
日本整形外科学会も、複数の椎体骨折が生じると円背や身長低下につながると説明しています。
姿勢が丸くなると、
✅ 腰や背中に負担がかかる
✅ 呼吸が浅くなりやすい
✅ 胃腸が圧迫されやすい
✅ 歩幅が狭くなる
✅ 転倒リスクが上がる
など、生活全体にも影響することがあります。
腰椎圧迫骨折で出やすい症状
腰椎圧迫骨折では、以下のような症状がみられます。
✅ 転倒・尻もち後から腰や背中が痛い
✅ 起き上がりで鋭い痛みが出る
✅ 寝返りが痛い
✅ 立ち上がる瞬間が痛い
✅ 立ってしまえば少し歩ける
✅ 背中や腰を叩くと響くように痛い
✅ 前かがみや荷物を持つ動作で痛い
✅ 背中が丸くなってきた
✅ 身長が低くなった
✅ 骨粗しょう症がある
特に注意したい症状は以下です。
🟥 転倒後から強い腰痛がある
🟥 骨粗しょう症があり、急に腰や背中が痛くなった
🟥 安静にしていても痛い
🟥 夜間痛が強い
🟥 足のしびれや麻痺がある
🟥 排尿・排便の異常がある
🟥 発熱がある
🟥 がんの既往がある
🟥 痛みが日に日に強くなっている
腫瘍の転移による骨折では、体動時だけでなく安静時にも痛むことがあると日本整形外科学会は説明しています。強い外力による場合は、脊髄損傷や下肢麻痺を伴うこともあるため、危険なサインを見逃さないことが重要です。
〖腰椎圧迫骨折の治療と自宅での注意点〗整形外科での検査・安静・コルセットが重要です|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
腰椎圧迫骨折が疑われる場合、まず大切なのは整形外科で画像検査を受けることです。
レントゲンで分かる場合もありますが、発症直後は分かりにくいこともあります。状態によってはMRIなどで新しい骨折かどうかを確認することがあります。
椎体骨折の評価基準では、胸腰椎の側面X線写真で椎体の高さの減少などをもとに判定する考え方が示されていますが、臨床的に新鮮な骨折では形態変化がはっきりしない段階でも骨折として扱う場合があるとされています。
保存療法が基本になることが多い
多くの圧迫骨折では、まず保存療法が選択されます。
保存療法では、
✅ 安静
✅ コルセットなどの装具
✅ 痛みの管理
✅ 骨粗しょう症の治療
✅ 徐々に日常生活へ戻すリハビリ
✅ 転倒予防
などが行われます。
AAOSも、脊椎圧迫骨折の多くは手術なしで3か月以内に改善を感じることが多く、安静、少量の鎮痛薬、背部装具などが用いられることがあると説明しています。
ただし、整骨院の立場では、薬や骨粗しょう症治療、コルセットの種類、手術適応の判断は医師の領域です。
当院では、医師の診断や指示を確認しながら、生活動作や再発予防のサポートを行います。
痛みの程度に合わせた考え方
🟦 軽度
動けるが、起き上がりや寝返りで痛い
→ まず整形外科で検査。骨折の有無を確認してから対応を考える
🟨 中等度
寝返り・起き上がり・立ち上がりがかなりつらい
→ 無理に施術や運動をせず、画像検査と医師の判断を優先する
🟥 強い症状
安静時痛・足の麻痺・排尿排便異常・発熱・がん既往がある
→ 早急に医療機関で確認する
自宅で気をつけたいこと
✅ 自己判断で強く揉まない
✅ 痛いのに無理にストレッチしない
✅ 起き上がりは横向きからゆっくり行う
✅ 前かがみで重い物を持たない
✅ 捻る動作を避ける
✅ コルセットの指示がある場合は正しく使う
✅ 転倒しやすい環境を片づける
✅ 骨粗しょう症の治療を医師と相談する
圧迫骨折では、痛みが少し引いても、骨が安定するまで無理をしないことが大切です。
避けたいこと
⚠️ 「ぎっくり腰だろう」と自己判断する
⚠️ 骨折の可能性があるのに強いマッサージを受ける
⚠️ 腰を強くひねる
⚠️ 前屈ストレッチを無理に行う
⚠️ 痛み止めだけで無理に動く
⚠️ コルセットを自己判断で外す
⚠️ 骨粗しょう症を放置する
⚠️ 転倒リスクをそのままにする
ここはかなり重要です。
圧迫骨折が疑われる時期に、強い手技や無理な運動は適しません。
まずは医師の診断を受け、骨折の有無・新鮮骨折かどうか・安定性・神経症状の有無を確認することが優先です。
〖ラッコ整骨院での確認とサポート〗見逃しを防ぎ、必要に応じて整形外科受診をご提案します|ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店では、腰椎圧迫骨折が疑われる腰痛に対して、無理な施術を行うのではなく、まず状態を丁寧に確認します。
圧迫骨折は、ぎっくり腰のように見えることがあります。
だからこそ、初回の確認がとても重要です。
① 痛みのきっかけを確認します
まずは、いつ・何をきっかけに痛くなったのかを確認します。
✅ 転倒したか
✅ 尻もちをついたか
✅ 重い物を持ったか
✅ 骨粗しょう症があるか
✅ 過去に圧迫骨折があるか
✅ 痛みが出た瞬間があるか
✅ 起き上がりや寝返りで痛いか
✅ 安静時も痛いか
特に、骨粗しょう症がある方や高齢の方で、急に背中・腰の痛みが出た場合は、圧迫骨折を疑って確認します。
② 危険なサインを確認します
当院では、以下のような症状がないか確認します。
✅ 足のしびれ
✅ 足の筋力低下
✅ 歩行困難
✅ 排尿・排便の異常
✅ 発熱
✅ 夜間痛
✅ がん・感染症・骨粗しょう症の既往
✅ 痛みの悪化傾向
これらがある場合は、整骨院で様子を見るのではなく、医療機関での確認をおすすめします。
③ 必要に応じて整形外科での検査をご提案します
圧迫骨折の有無は、整骨院で確定診断することはできません。
疑わしい場合は、
🟥 レントゲン
🟥 MRI
🟥 骨粗しょう症の検査
🟥 医師による診察
が必要です。
当院では、患者さんの状態を確認し、必要に応じて整形外科での検査をご提案します。
特に、ラッコ整骨院は整形外科との連携を大切にしているため、「整骨院で抱え込まない」ことを重視しています。
④ 医師の指示後、生活動作・再発予防をサポートします
整形外科で圧迫骨折と診断され、保存療法の方針が出た後は、状態に合わせて生活動作をサポートします。
たとえば、
🟦 起き上がり方
🟩 寝返りの仕方
🟨 立ち上がり方
🟧 コルセット装着中の動き方
🟥 転倒予防
🟪 骨折後の筋力低下予防
🟫 再発予防の運動療法
などです。
ただし、骨折直後に無理な施術や強い運動は行いません。
骨折の時期、痛みの程度、医師の指示、コルセット使用状況を確認しながら、できる範囲で安全にサポートします。
整形外科での検査をおすすめするケース
以下のような場合は、早めに整形外科での確認をおすすめします。
🟥 転倒・尻もち後から腰や背中が痛い
🟥 骨粗しょう症がある
🟥 起き上がり・寝返りで鋭い痛みがある
🟥 背中や腰を叩くと響く
🟥 安静時も痛い
🟥 夜間痛が強い
🟥 足のしびれ・麻痺がある
🟥 排尿・排便の異常がある
🟥 発熱がある
🟥 がんの既往がある
🟥 身長低下や円背が進んでいる
圧迫骨折は、早めに見つけて適切に対応することで、痛みの長期化や再骨折、姿勢変化を防ぐうえで重要です。
よくある質問
Q. 圧迫骨折はぎっくり腰と見分けられますか?
症状だけで完全に見分けるのは難しいです。
ただし、転倒や尻もち後、骨粗しょう症がある方、起き上がりや寝返りで鋭い痛みがある方は、圧迫骨折を疑って整形外科での検査をおすすめします。
Q. 歩けるなら骨折ではありませんか?
歩けるから骨折ではない、とは言い切れません。
圧迫骨折では、起き上がりや寝返りが強く痛くても、立ってしまえば歩けるケースがあります。
Q. 整骨院で圧迫骨折は治せますか?
圧迫骨折の診断や骨癒合の判断は医師の領域です。
整骨院では、骨折が疑われる場合は無理に施術せず、整形外科での検査をご提案します。医師の方針が出た後に、生活動作や再発予防のサポートを行います。
Q. コルセットは必要ですか?
必要性や種類、使用期間は医師の判断が必要です。
自己判断で外したり、逆に長く使いすぎたりせず、医師の指示に従うことが大切です。
Q. 骨粗しょう症の治療も必要ですか?
圧迫骨折の背景に骨粗しょう症がある場合、再骨折予防のために骨粗しょう症の治療が重要です。薬物療法や骨密度検査については、整形外科で相談することをおすすめします。
Q. 痛みが落ち着いた後は何をすればいいですか?
医師の許可を確認したうえで、転倒予防、姿勢改善、股関節や下肢の筋力維持、歩行練習などを少しずつ行います。痛みが引いた後も、再発予防がとても大切です。
まとめ
腰椎圧迫骨折・脊椎椎体骨折は、背骨の椎体がつぶれるように起こる骨折です。
大切なのは、
「ぎっくり腰だろう」
「歩けるから骨折ではない」
「揉めばよくなる」
と決めつけないことです。
特に、骨粗しょう症がある方、転倒・尻もち後から痛みが出た方、起き上がりや寝返りで鋭い痛みがある方は、早めに整形外科で確認することが大切です。
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店では、腰痛の中に圧迫骨折が隠れていないかを丁寧に確認し、必要に応じて整形外科での検査をご提案します。
診断後は、医師の方針を確認しながら、生活動作・転倒予防・再発予防をサポートします。
急な腰や背中の痛み、転倒後の痛み、骨粗しょう症に伴う腰痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください😊
この記事の執筆者
執筆者:塩野圭吾
ラッコ整骨院 宇都宮鶴田店 院長
柔道整復師/インソール療法スペシャリスト
最終更新日:2026年5月29日
引用文献
- 日本整形外科学会.「脊椎椎体骨折」症状・病気をしらべる.
- 日本整形外傷学会.「骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折」.
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会.『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』.
- American Academy of Orthopaedic Surgeons. “Osteoporosis and Spinal Fractures.” OrthoInfo. 2026.
- 日本骨代謝学会.「椎体骨折評価基準 2012年度改訂版」Osteoporosis Japan.2013;21(1):25-32.
- 尾原裕康,ほか.「骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存的治療と手術適応」脳神経外科ジャーナル.2018;27(4):291-300.
- Patel D, et al. “Managements of osteoporotic vertebral compression fractures.” Journal of Orthopaedic Surgery and Research. 2022.
- Alimy AR, et al. “Conservative Treatments in the Management of Acute Painful Vertebral Compression Fractures.” JAMA Network Open. 2024.
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